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コラム

電子調剤録のメリットを改めて確認しよう

近年、薬局業界ではデジタル化が進んでおり、その中で「電子調剤録」の導入も注目されています。電子調剤録とは、文字通り調剤に関する情報を電子的に記録・管理するシステムのことを指します。
医療DX推進体制整備加算(調剤基本料)においては、施設基準として「電磁的記録による調剤録及び薬剤服用歴の管理の体制を有していること」と定めており、加算を受けるためにも電子調剤録の整備は急務と言えます。
そこで今回は電子調剤録のメリットなどについてお話をしたいと思います。

電子調剤録のメリットについて

では、早速電子調剤録を活用する場合のメリットを具体的に記載していきます。

  1. 医療DX推進体制整備加算要件

    冒頭でもお話した通り、医療DX推進体制整備加算を受けるための要件として、電子調剤録と電子薬歴の体制を整備する必要があります。これらの要件を満たすことで、加算を受けることができるようになります。
  2. 紛失・消失リスクの軽減

    現行では処方箋に調剤録を裏打ちしたうえで3年間の保管が義務付けられています。また電子処方箋を活用している場合であっても、調剤録単体で同期間の保管が必要です。
    物理的な紙ベースの調剤録は紛失リスクが高いです。また災害などによる消失のリスクもあります。対して、電子調剤録はサーバーやクラウドにデータを保存するため、物理的な紛失のリスクを大幅に低減することができるため、電子処方箋と共に導入を進めることを推奨します。
  3. 薬局内の省スペース化

    紙を保管しているとどうしても物理的なスペースが必要になります。電子調剤録であればペーパーレス化が進むため、薬局のスペースを圧迫することなく保管することが可能です。
    厚生労働省は今年の夏、調剤済の処方箋や調剤録の保存期間を現行の3年から5年へと延長する案を出しました。医療DXを推進する観点から、他の医師や歯科医師の診療録の保存期間との整合性を図る狙いがあるといわれています。この保存期間の延長により、今後紙の場合はどんどん保管場所を取られることになりますので、早めに電子に切り替えるのが良いといえます。
  4. 不正改ざんリスクの低減

    電子調剤録はアクセス権限の設定や監査ログの記録が可能なため、不正アクセスや改ざんのリスクも軽減されます。電子調剤録は情報管理の透明性とセキュリティを高める手段としても有効です。
  5. 業務の効率化

    再来患者の電子調剤録は簡単に探すことができます。紙ベースの調剤録を探すよりも手間を大幅に省略することができ、業務の効率化につなげることができます。

このように電子調剤録には多くのメリットがあります。

じゃあ電子調剤録のデメリットは?

前述の通り電子調剤録には多くのメリットがあります。一方で、デメリットにも目を向けてしっかり対策をとることが重要です。

  1. 導入や運用を変更するためのコスト

    多くのメリットを持つ電子調剤録ですが、一番のデメリットはこのコストに尽きるでしょう。新しい運用や操作を覚えないといけない薬局内の人的コストや、導入費用などの金銭的コストがあります。
  2. セキュリティ対策

    先ほどメリットで「不正改ざんリスクの低減」を挙げましたが、電子調剤録だから必ず安心というわけではありません。
    パスワードの管理をしっかり行う、通信制御を確認するなどのセキュリティ対策をしっかり行う必要があります。

まとめ

ここまで電子調剤録のメリット・デメリットについてお話を進めてきました。電子調剤録への切り替えは、医療DXを進めるための一つの手段として実行していくべきだといえます。弊社でも2024年6月に電子処方箋機能をリリースしております。ご興味がございましたら是非お声がけください。

一方でセキュリティに関するリスクについても忘れてはいけません。
現在薬局業界においても、厚生労働省が2023年10月に「薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト」を公表し、2024年度中にすべての項目に関して対応するよう求めています。また、このサイバーセキュリティ対策チェックリスト要件を満たすことは医療DX推進整備体制加算の要件にもなっています。
弊社では「薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト」に関する相談も受け付けております。日々の業務でサイバーセキュリティ対策まで手が回らない薬局様がいらっしゃいましたら一度お問い合わせください。